飽くなき探究と進化
ピカンティ開店直後の2001年前後のメニューです。スープカレーのみならず、ルーカレーも複数ありました。今も昔もずっと創作スパイス料理を追求しています。
様々なスープ、様々な具、オリジナルのメニュー開発を行っていました。北海道には本当に素晴らしい素材があります。調理方法も蒸したり素揚げにするだけではなく、そこでも創意工夫は行われました。
現在、店舗にいらしてくださっている人は、気づかれたでしょうか?現在のピカンティで使われているお皿は当時は使われていませんでした。創意工夫は、食材のみならずお皿にまで向かいます。
サクサクの具を、サクサクのままテーブルへ
こだわって選定した素材をサクサクの天ぷらにして、それをサクサクのままお客さんの前にお出ししたい。でもスープカレー用の深皿だと天ぷらや揚げ物はスープに浸かって柔らかくなってしまいます。食感までも楽しんでほしい。
けれどいくら探しても既存のお皿にそれを実現できるものはありませんでした。随分長い間探した後、とうとうオリジナルで作成することを決断します。
ピカンティのオリジナリティはこんなところにも発揮されました。最初は常滑焼の作家さんにお願いして作成しています。しかし、前代未聞の形状に大苦戦します。何度も何度も作成しては店舗で試し、結果をフィードバックして再チャレンジをしました。
最初はスプーンが底まで入らなかったり、焼締めが不十分でチップしたり。でも諦めること無く努力は続きました。本当に我慢強く続けたのです。お客さんの評価も最初は分かれていたように思います。
ごぼうなど天ぷらの具を、サクサクのままワンボウルで出すことができるようになったのは、この器があるからなのです。もちろん盛り付けも美しくなりました。
これらの具は旬のときだけなのでいつもあるわけでは有りませんが、食べられるときにはぜひ召し上がっていただきたいメニューです。
最新の器は製法も鋳込みになり、強度も上がりました。サクッとピカチキンはこの器だからこそ「カリッ」とした食感を味わっていただけます。
ピカンティは北海道の素材を中心に、期間限定ではありますが、様々なメニュー開発に挑戦し続けてきました。その挑戦の象徴がこのどこにもないピカンティだけのオリジナルの器なのです。
無印良品と製造ラインを取り合ったのも今は昔。関係者の皆さんの努力で安定供給されるようになりました。
全国に散っていくお客様へ
ピカンティを育ててくれた学生さんは卒業後、全国に散っていきます。観光都市札幌へ来て食べていただいたお客さんで何度もリピートしてくれる方もいます。
レトルト商品もありますが、なんとかお店の味を遠方のお客さんに届けたい。それがコロナ禍での新しいチャレンジになりました。
仕事で疲れた体にピカンティのスープカレー。具もスープも湯煎だけで食べられます。
冷凍技術が進歩して、様々な冷凍方法が登場してきていますが、常温の素材を急速冷凍するのと、熱々の高温素材を急速冷凍するのは全く異なる技術です。
ピカンティ駅前店ではショックフリーザーと真空包装機ホットパックを導入し、試作を繰り返してきました。そしてやっと満足できる商品にたどり着きました。
それが今回みなさんにお届けすることになった冷凍スープカレーです。お店の味、ほぼ「そのまま」です。残念ながら具は揚げたてサクサクとは行きません。でも素材の特徴にあわせて調理方法は変えています。ご家庭ではなかなかこの手間はかけられないかもしれません。
冷凍はいえど、鮮度を大事にしております。受注生産ですので、即日発送とは行きませんが、この機会にお楽しみいただければと思います。
現在、パッケージの縮小に取り組んでおります。少々サイズが大きいですが、今後の努力を見守っていただければ幸いです。